3月21日に開かれたノーモア・ミナマタ訴訟原告団総会において,第三者委員会の判定結果を受け入れ,和解を成立させることが決定されました。これで,約5年半に及ぶ訴訟にピリオドを打つことになったわけです。第1陣50名について,提訴前集会で,一人一人と握手して,解決まで頑張りましょうと誓い合ったことが今でも思い起こされ,感無量です。ただ,全体から見ると約6%ですが,救済対象から漏れる方が出たことについては本当に残念で,痛恨の思いです。その方々の無念の思いは,忘れてはいけないと思います。その上で,25日の熊本地裁和解期日には,厳粛な気持ちで臨みたいと思います。
いずれにしても,この裁判は終わっても,水俣病問題が全面解決したとは到底言えないでしょう。潜在被害者の実数は全くつかめていないし,若年被害者や胎児性水俣病患者の将来のこと,あるいは水俣周辺の環境問題や差別問題,さらにはチッソ分社化の問題など,問題は山積していると思います。
この訴訟では,被害者救済の範囲を従来より拡大させることができました。この勝利的和解が,真の意味での水俣病問題の全面解決につながっていることを信じるとともに,いつかはその日が来ることを祈ります。
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